空気のひみつ |
熱海で行われた9泊10日のNVC(non violent communication)のIIT(International Intensive Training)
から戻りました。
日本だけでなく世界中の色々な場所からの参加者と、
これまた世界各地からのトレーナーの方々、合計100名以上のかたと
一緒に過ごした10日間。
NVC認定トレーナーの方々の午前と午後2時間ずつのセッションに加えて、
(4クラスが同時にあって毎回選択に迷う、)
早朝や夜におこなわれる森を散策する会や、映画上映や、NVCの実践についての集まり。
とても濃かったので、まだクラクラしていますが、
自分なりの大きな発見について書きます。
南アフリカ出身のピアニスト、ダラー・ブランド(アブドゥーラ・イブラヒム)のソロコンサートをサントリーホール(ブルーローズ)で聞いたときのことです。
彼がステージに登場したとたんに、泣きそうになりました。
演奏そのものに深く感動するとともに、マッサージを受けたあとのように身体がやわらかくなった感じがあり、
その体験に驚きました。
そして会場全体がとてもやわらかな空気につつまれていることを感じました。
幸せや喜びという、一種のプラスのものだけではなく、何となくのモヤモヤや、悩みも包み込まれてしまう感じ。
しかもそれは、ダラー・ブランドその人に包まれたわけではないと思ったのです。
2006年に、ブラジルのシンガーソングライター、ドリ・カイミが来日し小野リサさんとともに
河口湖ステラシアターでおこなわれたコンサートに、メンバーとして参加したときのこと。
一日の本番のために、5日間のリハーサルがありました。
イーラ用賀スタジオにあらわれたドリ・カイミ氏のたたずまいと、
彼のギターの音と声、そしてそれらのブレンドされた空気に、リハーサルにも関わらず涙が止まりませんでした。
そもそも、参加するにあたり自分には沢山の不安がありました。
一緒に音を出したとき、わたしの実力が不足していると思われるのではないだろうか。
何か、その場にそぐわない音を出してしまったときに、場が崩れるのではないだろうか。
ポルトガル語も英語も不安なのに、リハーサルについていけるのだろうか。
でも、私はその場で否定されることは全くなく、
楽しく吹き、他のミュージシャンの音にも耳をすまして聞きながら、
充実したリハーサルを終えて、本番に向かうことが出来ました。
別にドリ・カイミ本人から言葉でOKをもらったわけではありませんが、
そういう「空気」を私が感じたということです。
この2つの出来事について、ずっと関心がありましたが、
今回のトレーナーのRobert Gonzales氏が言っていた
「compassion」という言葉が、とても響きました。
日本語でどう表現したらぴったりなのか分かりません。
ただ、これが自分にとっての鍵であるように感じました。
Robert Gonzales氏がディレクターをつとめる
「Living Compassion Center」のweb
http://www.living-compassion.org/living.html
合宿中に感じたことは、またまとまったら書きたいと思いますし、
ブログにも少しずつアップしていく予定です。